雷神山古墳~東北地方最大級の古墳~【20/7/19訪問】

<カテゴリ:文化・遺産>


 地元の方もあまりご存じなかったのですが、書物によると名取市にある雷神山古墳は、東北最大級の前方後円墳のようです。「最大」と書かずに「最大級」と書かれているということは、別の地に同等規模の古墳があるに違いありません。一方、雷神山古墳の長さは168mもあり、こちらの方は東北最大のようです。

雷神山古墳
雷神山古墳

 かねてよりこの東北地方最大級の前方後円墳を訪れたいと思っていましたが、それが実現したのは2020年の7月19日でした。2020年といえば、コロナによるパンデミックになった年で、4月には全国に初めての緊急事態宣言が発動されました。また同時に2020年といえば、東日本大震災の影響で長期間普通となっていた常磐線が、何度かの部分開通を経て、3月14日に全面開通した年でもあります。常磐線はJRの鉄道の中でも「本線」ではない路線の中で最も長い路線です。東北地方の鉄道をほぼ踏破した私でしたが、この常磐線だけは乗車していない区間があったので、全面開通の日を楽しみにしていました。

 

館腰駅
館腰駅

 このように2020年は、コロナ禍を避けながらも常磐線走破をテーマとして、何回かにわけて東北本線(仙台~岩沼)と常磐線の東北地方部分(岩沼~勿来間)を旅しました。雷神山古墳を訪れたのは、その2回目です。緊急事態宣言の解除を待ち、かつ混雑を避けるため夏休みに入る直前に出向きました。

 当日は東北新幹線で仙台に向かい、その後、上りの普通列車に乗り館腰駅で降りました。少しでも空いている時期がいいと思い、夏休みに入る直前を狙ったのですが、予想以上に新幹線は空いていて、なんと私の乗っている車両(自由席車両)は私だけという贅沢なものでした。これもコロナ禍の影響でしょうか。

館腰神社
館腰神社

 実はその日は名取市でもう1件、館腰神社にも訪れたく、館腰神社経由で雷神山神社に向かいました。

 余談ではありますが、以前はその地を訪れると、まず駅にある観光案内所に行き、そこで地図をもらい、その地図を頼りに目的地を訪れたものです。今はMAPアプリさえあれば、ほぼ全国どこでも案内してくれます。本当に便利な時代になりました。ただ時々、MAPはとんでもない経路を案内してくれます。この日、最初に訪れた館腰神社もとんでもなく遠回りをさせられてしまい、予定していた倍の時間を要してしまいました。もし昔ながらの地図を頼りにしていれば、もっと早く到達したに違いありません。これについては別の機会で触れたいと思います。

 さて名取市の館腰神社は、空海が弘誓寺を創建するにあたり、京都の伏見稲荷大社より分霊したことに由来するという大変に由緒のある神社です。苦労して到着した甲斐もあり、大変に見応えのある神社でした。

雷神山古墳
雷神山古墳

 館腰神社を後にした私は、住宅街の中を雷神山古墳に向かいました。この種の史跡にはよくあることですが、今回の雷神山古墳も住宅街を歩いていると忽然と姿を現したのです。書物によると4世紀末から5世紀前半に築造されたようですが、被葬者は不明のようです。きっとこの地方の有名な豪族だったのでしょうか。この雷神山古墳自体が、まだ未発掘の部分が多いようで、今後の調査に期待したいところです。

 当日は日曜日であったにも関わらず、家族連れに1組会っただけで、静かな時間を過ごすことが出来ました。それにしてもなんと大きな古墳でしょうか。ゆっくりと歩いても1周10分近く要しました。古墳の頂上部には、雷神を祀った祠があります。これが雷神山古墳の名前の由来になっているようです。今から1500年以上も前に、このような立派な古墳を作った先人に敬意を表さざると得ません。駅からも近く、もちろん車なしで行けます。是非、皆さんもこの東北地方最大級の前方後円墳を訪れて、古のロマンに思いをはせてみては如何でしょうか。

仙台空港アクセス線杜せきのした駅
仙台空港アクセス線杜せきのした駅

 さて雷神山古墳を見終えた後は、仙台空港アクセス線杜せきの下駅まで徒歩で行き、仙台空港に向かいました。目的は、これもまた乗車したことのない仙台空港アクセス線に乗ることと、東日本大震災の慰霊地である「千年の丘」を訪ねることです。その後、岩沼駅に戻り竹駒神社に行きました。この竹駒神社は今回最初に訪れた館腰神社が姉神様としても崇拝されている神社です(関連情報ご参照)。


<関連情報>

①旅程※時刻は訪問当日の時刻表です。もし訪れられる場合は最新の時刻表をご参照頂きますようお願いします。

【2020/7/19】

東京(6:40)=(東北新幹線やまびこ203号)=仙台(8:59)(9:14)=(東北本線)=名取(9:28)(9:38)=(東北本線)=館腰(9:42)~徒歩(館腰神社~雷神山古墳)=杜せきの下駅(11:58)=(仙台空港アクセス線)=仙台空港(12:04)=(徒歩:千年希望の丘)

 

②是非、立ち寄りたい周辺のお勧めスポット(もちろん鉄道とバスと徒歩で)   

館腰神社

館腰神社(2020年撮影)

弘仁2年(811年)に弘法大師(空海)が京都の伏見稲荷神社より分霊したことに由来。JR館腰駅から最短コースで行けば徒歩5分(注:本文ご参照)

竹駒神社

竹駒神社(岩沼市)(2020年撮影)

承和9年(842年)に創建された稲荷神社。日本三稲荷の一つとされることもある(注:文献により異なる)。平成2年に社殿が火災で焼失され、平成6年に再建された。境内には馬事資料館が併設されている。JR岩沼駅から徒歩10分

 


③雷神山古墳